整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

一生懸命続けてきたことの意味

ある女の子の話です。

その子は小学校に入ってからずっとある習い事をしていました。

一生懸命練習に取り組み、日本全国色々な所で行われる発表会にも出場してきたそうです。

引継ぎでも、その習い事の発表会が忙しく、発表会の前は遅くまで練習に取り組んでいることや、学校を欠席することもあるということを聞いていました。

そんな彼女ですが、現在は5年生で小学校卒業のタイミングでその習い事を辞めることを決めているようです。

その理由は「先が見えている」からだそうです。このまま続けても大きく才能が開花することもないだろうという事もあり、中学校に入ってからは勉強を一生懸命頑張ると決めているそうです。

僕は彼女と関わってまだ一月くらいしか経っていませんが、この一月の彼女を見ているととてもまじめで、どんなことにも一生懸命取り組める子という印象を持っています。

きっと彼女のことだから、その習い事に対しても一生懸命取り組んでいることだろうと思います。出来ないことがあったり、辛いことがあったりしてもそこから逃げ出さず、しっかりそのことと向き合いながら取り組んで来たことだろうと思います。

そんな彼女がその習い事を辞めると決めているという事は、先日あった懇談でその子の母親から聞きました。

初めてあ会う母親。とても丁寧な方で、彼女がどんなことでも一生懸命取り組めるのは暖かい家庭の支えがあったからだろうなと感じることが出来るくらいきちんとした方でした。

母親との懇談の中で聞かされた「辞める」という話。目にうっすら涙を浮かべながら「辞める」ことに関しての話をされていました。

発表会に出ても中々思うような結果が出なくて苦しんでいること。

少しずつ周りとの差を感じていること。

指導者から「恐らくこれから続けても大きく伸びることはないだろう。」ということを聞かされたこと。

娘が本当に一生懸命取り組んで来たのを知っているからこそ複雑な気持ちになっていること。

たくさんの思いを聞くことが出来ました。そして、その話からは娘を本当に思っている気持ちが溢れていました。

「長い間取り組んで来た時間は何だったんだろう。」という事も話されていました。彼女にとって、続けてきたことは本当に良かったのかと不安になっているとのことです。

僕からすると、小学校の間に何か一つのことに打ち込める経験をしてきたことは何事にも変えることのできないとても貴重な経験だと思います。

結果が出ようが出まいが、小さな子どもが一つのコトを長い期間辛抱強く取り組めることは中々出来ない事ではないでしょか。

それはきっと本人の強さもあったとは思いますが、家庭の支えがあったからだと思います。

長い間していると「辞めてしまいたい。」や「もう嫌だ。」なんて思うことはたくさんあったと思います。

一生懸命取り組んでいる小学生に対して「続けていても大きく伸びることはないだろう。」ということを保護者に話す指導者なのだから、そんな指導者からは厳しいこともたくさん言われてきた事だろうと思います。

そんな中でも続けることが出来たことは本当に強い意志があったからだと思います。そして、それを支えようとする彼女を思ってくれる人がいたからだと思います。

それを知ることが出来たこと、感じることが出来たことは、彼女のその後の人生にはとても大きな財産になったのではないでしょうか。

もしかしたら結果が「今」出ていないだけで、近い「将来」頑張ってきた成果が発揮されるのかもしれません。その成果はその習い事ではなく、他の事で活かされ大きな成果を上げることに繋がるのかもしれません。

もちろん、決めている残りの競技生活の中で「結果」が出るのが一番望ましいことなのかもしれませんが、そうでなくても続けてきたことの意味はあるように思います。

もしかしたら「今」現在はその意味を理解出来ないかもしれないし、しばらくは「なんだったんだろう。」という気持ちを抱え続けるかもしれません。

でも、いつかは頑張ってきたことがその子の支えになるだろうし、何か目標が出来た時の頑張ろうとする大きな活力になることだろうと思います。

一生懸命に取り組んだことに意味のないことなんか何一つないと思います。

その意味に気付いてもらえるように、僕も彼女と関わっていきたいと思います。