僕は今小学校で理科の勉強を教えています。
天気の学習をしたり、
植物の学習をしたり、
生き物の学習をしたり、
そこまで専門的ではありませんが、それでもそれなりに準備をしながら、子どもたちが楽しく学習出来るように、考えながら授業を行うように心掛けています。
(僕なりにですが...。)
今植物の学習をしているのですが、時間をかけて実験をしたり、その実験で分かった事をまとめたりしています。
実験ではなるべく正しい結果が出るように、細心の注意を払いながら準備を進めるようにしています。
というのも、やっぱり正しい実験結果が出た方が、こちらが学習させたい事が印象深く頭の中に残るのだろうし、子どもたちの「すごい!!」という感動を引き出すことが出来ると考えているからです。
実験が失敗して「本当はこうだったんだよ。」なんて言いながら教科書を見せたり、動画を見せたり、そんな事では子どもたちの印象には残らないのではないかと思います。
実験を通して「すごい!」や「ほんとだ!」なんて感動の気持ちを引き出せるから、子どもたちの頭の中に印象深く残るのだろうし、それが確かな知識として定着するのだと思います。
だからこそ、実験は成功させたいし、そのための準備を怠らないようにしているのです。
そして、時間を掛けながら授業を進めていますが、学習させたい知識の量はそれほど多くはないのです。
それを意識的に子どもたちに伝え、本当に大切な事を見失わせないようにする事も気をつけるようにしています。
今している種子の発芽の学習で言うと...。
発芽に必要なのは、
・水
・空気
・適当な温度
の3つになります。
この3つのどれか一つでも欠けてはいけないし、これら3つがあれば植物の種子は発芽するのです。
それを分からせるために、3時間、4時間掛けながら授業を進めているのです。
今日次の実験に進むために、少し足踏みをしなければならない状況にありました。
次の実験をするためにはもう少し植物を成長させなければならなかったのです。
という事もあり、今日の授業では「発芽」をテーマにプリントをまとめる学習を行いました。
自分なりに発芽の学習で学んだ事をA4サイズのプリントにまとめていくという学習です。
子どもたちそれぞれ丁寧にプリントをまとめていたのですが、数名の子どもたちから「もう一枚プリントもらってもいいですか?」なんて質問がありました。
どうしてか聞いてみると、書く内容が多く、一枚では収まらないとの事なのです。
僕が今回の学習で抑えて欲しかったのは、発芽するための条件です。
先述した通り、3つの条件があれば種子は発芽します。
詰まるところそれが書けていればOKなのですが、どうやらそれ以外の事もたくさん書きたいようで、一枚では収まらないとの事なのです。
子どもたちの中には「たくさん書いた方が良い」なんて風潮があるようで、それがそのまま意欲の評価に繋がると思っているようなのです。
でも僕はそれは違うと思っており、本当に気付いて欲しいのは「今回の学習で本当に大切にしなければならない事」なのです。
長い時間をかけて実験をしたりしてきましたが、本当に大切にしなければならない事はそんなに多くはなく、意外と少ないという事なのです。
だから子どもたちには「本当に大切だと思う事を一枚にまとめるように努力して欲しい。」という事を伝えました。
あれもこれもたくさん書いていると、情報量が多くなってしまい、本当に大切にしなければならない事が薄れてしまうと思うし、見失ってしまうと思っています。
そしてそれは理科の学習だけでなく、全ての教科の学習でも言えるし、はたまた全ての物事でも言える事ではないかと思っているのです。
勉強でも生活のどの場面でも、本当に大切にしなければならない事はそんなに多くないし、意外と少ないのだと思います。
そしてそれを理解した上で、余計な事を抱えず、その必要な事だけを抱えておくべきなのだと思います。
人はついついあれもこれもと思ってたくさんの物事を抱えてしまいます。
その結果、大切な物事が見えにくくなってしまうし、見失う事があったりするのだと思います。
そんな事を今日子どもたちに話しました。
どこまで理解してもらえたかは分からないけれど、それでも何かに気付くことが出来た子どももいるのではないかと思っています。
たくさんの情報を一枚のプリントにたくさん書くのではなく、
本当に大切な事を自分の言葉で短くまとめる事の方が大切だと僕は思っています。
自分に関わる物事の中の必要なモノは意外と少ないです。
それを理解した上で、頭の中に入れるモノを厳選していくべきなのだと思います。