整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

線引き

僕が働いている業界...教育の現場です。

30歳の時に教員免許を取得し、早いもので今年で働き出して13年目に突入しています。

教育を取り巻く環境はこの13年の間でずいぶん変わり、その変わっていく過程の中で教員の働き方も大きく変わって来ました。

道徳の教科化。

英語の教科化。

ICT機器の導入。

大きく変わる中で、教員に求められる能力も大きく変わり、その対応に追われているのが現在の教育現場なのです。

基本真面目な人が多い学校の先生たち。

(そうでないニュースがよく報道されたりもしていますが...。)

僕が知る先生たちは、本当に真面目に変化に対応しようとしているし、そこに対する努力を惜しまない人が多くいるように思います。

年配の先生たちは一生懸命、慣れないICT機器と向き合っているし、

若手の先生たちも、授業の準備や子どもたちとの関係作りに一生懸命取り組んでいます。

毎日夜遅くまで仕事と向き合っている姿を見て(見てないけど...)「えらいなー。」なんて思っているし、尊敬の眼差しで眺めているように思います。(眺めてないけど...)

そんな大きな変化の中では、求められる事も大きく変わって来ており、特に保護者からの要望が大きく変わって来ているように感じます。

この大きな変化。良い方向への変化であれば嬉しかったりするのですが、残念ながらそうではなく、悪い方への変化が多く見られている状況になっているのです。

そしてそんな悪い方への変化にも対応しようとする姿勢に大きな問題を感じたりもしているのです。

昨日、6年生の保護者からある電話がかかって来ました。

「友だち同士でチェーンメールのやり取りが流行っているようで困っている子がいる。というか我が子が困っているようだ...。」

との事だそうです。

どうやらLINEで「このメッセージを3名以上に転送しないと不幸な事が起きる...」的な内容を回しあっているようなのです。

その連絡を受けた若手の職員は、僕と管理職2人に相談をしに来ました。

「どのように対応すれば良いでしょうか?」

「どのように指導すれば良いでしょうか?」

頭を抱えながら相談に来ましたが、僕はまずこういった、家に帰ってからの問題に関しては首を突っ込まない方が良いと考えています。

学校で起きた事に関しては、学校の管理下で起きた事でもあるので、話を聞きながら対応したり、必要であれば指導も行うようにしたら良いと思います。

ただ、学校から帰った後の事に関しては、それはもう家庭での問題であり、学校が首を突っ込む必要はないと考えているのです。

っていうか、そんな学校外で起こった事まで対応するから、先生たちの仕事の量は増える一方だし、本来すべき事に注力出来なくなってしまうのです。

そしてそんな家庭で起こった事に一々対応しているから、何でもかんでも「学校に対応してもらおう。」なんて考える保護者が増えてくるのだと思います。

だから僕は一線を引いて対応に臨むべきだ考えているのです。

例えば...

「それで子が困っているのであれば、そのLINEグループから抜ければ良いのではないでしょうか?というか、そもそもスマホを待たすべきではないのではないでしょうか?それを一度家庭でお話すれば良いのではないでしょうか?」

そんな風に話しても良いのではないかと思っています。

でもきっとそんな事を言ってくる保護者は、

「どうして対応してくれないんですか?子が困っているんですよ?」

なんて言いながら、真面目な先生の「子が困っている」というホットボタンを押してくるのではないかと思います。

真面目な先生ほど「子が困っている」や「子のため」なんて言葉に心が動かされがちになってしまうのです。

そういった教師のホットボタンを押してくる、面倒な事を学校に押し付けてくる保護者たち。

そういった保護者には毅然と対応していくのが一番なのではないかと考えているのです。

「何でもかんでも対応すると思うなよ!!」

「子のためと言うなら、面倒な事でも保護者も労力をかけて向き合えよ!!」

そういった気持ちを持ちながら突き返す事も必要なのではないかと思っているのです。

今回の件であれば、子が困っているのであればそこから救ってあげるためには「スマホをなくす」意外にないように思います。

どれだけモラル的な話をしたとしても、少なからず同じような事象は起きるのだろうし、そんな指導はすでに学校では行っているのです。

と考えると、今回指導したとしても、きっと同じような事は起きるのだろうし、その度に頭を悩ませる事になるのです。

であるならば、どこかで線を引いて、本来やるべき事に集中出来るような環境を整えてあげるべきだし、それにはスマホは必要ないのだと思います。

それが嫌なのであれば、問題と感じるつまらないチェーンメールと付き合っていけば良いだけの話だと思います。

やる事はたくさんあるのに、学校外で何か起きる度にその対応まで学校に求めてくる保護者。

そしてそれに対応しようとする学校現場。

今回も僕の考えとは逆に、ボスは学年集会を行い、一度指導しておくべきだと若手職員に話していました。

本当にそれで良いのでしょうか?

これからもそうやって一つ一つ対応するのでしょうか?

やる事はたくさんあり、もっと大切にしなければならない事はあるように思います。

本当に大切にしなければならない事を大切に出来るようにするためにも、ある程度学校と家庭の線引きは必要だと思います。

それを訳の分からない事を言ってくる保護者にも分からせるためにも、毅然とした態度が必要だと僕は考えています。