整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

180円の切符

昨日の僕は意外と出くわすことのない状況に出くわしました。

しかも2度です。

ありそうでない、「目の前で落とし物」をされる状況です。

しかも僕の目の前で。たくさんの人がいる中、絶妙に僕が拾わないといけないだろうなという状況での「目の前で落とし物」です。

一つ目は電車の中。

珍しく目的があって出かけていた僕。電車に乗っていると、途中下車する老婆が目の前で手袋を落としました。もちろん「落とし物ですよ!!」と声を掛けると、「あぁ、ありがとう。」とゆっくり反応しながら手袋を受け取りました。

そして、電車を降りながら、その拍子に切符を落として行きました。

「えっ!!」、落とし物を渡してもらい「ありがとう。」と言ってまた落とし物!!

息子や教室の子どもたちであれば「同じ過ちを繰り返すな!!」と言って怒っている所ですが、相手はご老人。同じような対応は出来ません。

「あぁ~」とか言いながら渡そうとしましたが、恐らく聞こえていなかったのでしょう。そのままドアは閉まってしまい、落とした切符を渡せずじまいになりました。

恐らく僕は何も悪くないと思います。でもなんだか渡しそびれた僕に対して周りの視線が気になります。

その視線はもしかしたら「手袋を渡してあげて優しい人だなあ。」と思っている人もいたかもれません。でも、もしかしたら切符を「降りてでも渡してやれよ!!」と思っていた人もいるのかもしれないとか思ってしまいます。

僕には僕の予定がありました。でもその予定はしょうむない欲望の塊のような予定でした。

だから、渡しそびれた切符を手に持ちながら色んなことを考え込んでしまいました。

180円の切符だけど自分のしょうむない欲望を優先して渡しそびれた切符。それは180円以上の価値があったのかと考えてしまいました。

そんなこんなで目的地の最寄り駅に到着。

歩いていると次は前を歩く若い女性が、ポトッっと何かを落として行きました。

ICOCA」です。

イヤホンをつけているその女性は全く気づいていません。

拾って恐る恐る声を掛けて渡しました。(40歳のおじさんは落とし物を若い女性に渡すときも十分気をつけないと不審者扱いされます。)

「あっ。ありがとうございます。」と笑顔で対応されました。

とても感じの良い女性で、僕があと20歳若かったら運命の出会いになったかもしれないなあとか考えたりしていました。

同じような状況が一日に2度も。しかも両方とも絶妙に僕が拾わないといけない状況だったように思います。

神様のいたずらで、僕に何かを試しているのではないかと考えてしまうような出来事でした。

目的を果たし家に帰宅後もそんなことを考えていると、一度目の老婆に対しての思いが蘇ってきました。

自分のしょうむない欲望のために降りてでも渡すことが出来なかったことに対しての心残りです。

僕のしょうむない欲望と老婆の落とした180円の切符。どちらの方に重さがあったのでしょうか。

恐らくその老婆は駅を出る際に「あらぁ~。切符がない~。」とか言いながらまた同じ分の料金を払ったことだろうと思います。それはたかだか180円です。

たかだか180円、されど180円です。

電車を降りて渡していると僕が目的地に行く時間が遅くなってしまいます。

しょうむない欲望かもしれませんが目的があり、計画を立てて行動していた僕。でも、もう少し親切にしても良かったのかなと後悔の気持ちが残っています。

あの時電車を降りることが出来なかった自分は真の親切な人ではなかったように思いす。真の親切な人はきっと損得勘定なんかせず、とっさに行動出来る人のように思います。

昨日の出来事は、そんな自分と直面できた出来事になりました。

家に帰ってきてからそんなことをくよくよ考えてしまっている自分もどうかと思ってしまいますが、とっさに親切な行動がとれる人になりたいなと思ったりもします。

本当に大切なことは自分のつまらない予定ではなく、人に対し親切に出来る心だと思います。

そんな本当に大切にしたいことを常に頭の中に「収脳」しておきたいと思います。そして、それを行動に移せるようにしたいと思います。