整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

「整理・収納」の本質

職場の数名の人には僕が「整理・収納アドバイザー」の資格を持っていることを話しています。「整理・収納アドバイザー」と言っても何の活動もしていない、資格を持っているだけであるという位な感じですが...。

でも、そんな感じで伝えていたとしても、やはり注目はされてしまいます。

確かに職員室の机の上には何も置いていません。

職場から帰る時も手には何も持っていません。(手ぶらで通勤しています。)

そんな僕だから周りから見ると、「全てにおいて整理・収納が徹底されているのだろう。」や「教室なんかもきれいに片づけられているのだろう。」なんて思われているのかもしれないとか思っています。(自意識過剰かもしれませんが...。)

実際、教室を見せて欲しいと言われることもたまにあるし、授業を見せて欲しいといったこともよく言われます。

でも実はそうではなく、アドバイザーの資格を持ってはいますが、収納のセンスはないと思っているし、整理もそんなに上手に出来ているようには思っていません。

自分の事に関してはある程度は出来るようになってきてはいますが、それが教室の中や教室の子どもたちに活かすことが出来ているかというとそうではないように思っています。

教室の中にはたくさんの子どもたちがいます。それぞれ個性を持った子どもたち。それぞれの家庭で育ってきた子どもたち。様々な価値観を持って学校で生活をしています。

そういった教室の中では、僕が思う「心地良い環境」が全ての子どもたちに当てはまるかどうかは分かりません。

例えば、教室の後部に黒板があります。僕はその黒板には何かを掲示したり、何かを書くことはしたくないと考えています。そこにたくさんの情報があることで、心が落ち着かなくなるように思っているからです。

また、掲示の仕方にもよるのかもしれませんが、掲示物が増えてしまうことで視覚から入る情報量が多くなってしまい、大切にしたい事が見えにくくなると思っているからです。

でもそれはあくまでも僕の価値観であり僕の考えです。教室での活動の中心は教師である僕ではなく子どもたちです。

その子どもたちにとって心地良く、過ごしやすい環境に調節してあげることが教師の役割だと考えています。

もちろん僕の思いを話すことはあります。モノは必要なモノだけにすべきであることや、モノの定位置を決めておくことの大切さなどです。

ただ、教室の環境を整えることに関してはあくまでも子どもを中心に考えるべきであると考えています。

本当はもっとモノを減らしたいと思っています。教室の中の掲示物も減らしたいと思っています。もっと定位置管理を徹底したいとも思っています。もっともっと僕が考える「整理・収納」を徹底したいと考えています。

でも子ども中心で考えているとそうではなく、ある程度モノは増えるだろうし、掲示物もある程度は増えてしまうのが現状のように思います。

だから、「整理・収納が徹底されているんだろうな~。」なんて思って僕の教室に来た同僚は「あれ...なんか違う...。」なんて思ったりするのだろうと思います。

それは子どもを中心に考えているから仕方のない事のように思います。

今の所、僕の教室にいる子どもたちは大きく乱れることなく学校での生活を送ってくれているように思います。もしかしたら「つまんねぇ~。」なんて思っている子も数名いるかもしれませんが...。

それはある程度「整理・収納」が出来ていることで、子どもたちの生活の中で心が乱れることが少ないからだと思います。

僕が考える「整理」とは必要なモノだけにすることです。「収納」とはモノの定位置を決め、モノを使いやすくすることです。

学校は人との関わりを持ったり、勉強をすることがメインの場所です。そのメインになることが出来なくなる不要なモノは持ってきてはいけないし、持ってくるべきではありません。今のところそういったモノは持ってこないように徹底することが出来ています。

子どもたちが学校に持ってきているモノを「収納」することもある程度は出来ているように思います。

靴、ランドセル、教科書、絵具セット、習字セット、体操服、今であればプールセットや傘などです。そういったたくさんのモノの定位置管理を徹底することが出来ています。

定位置も僕は子どもたちと相談しながら決めることを心掛けています。始めから大人が決めるのではなく、子どもたちにとって何が一番いいのかを子どもたちと一緒に決めるようにしています。

その結果、僕が思う「心地良い環境」にはなっていないように思っています。周りから見てもそんなに「整理・収納」が徹底されている教室にはなっていないように思います。

でも「整理・収納」の本質からは大きく反れてはいないように思います。

それは子どもたちにとって不便なく過ごすことが出来る範囲の「整理・収納」が出来ているからです。「整理・収納」とはそんなもので良いのかもしれません。

学校での生活の中心は教師ではありません。子どもたちです。

その子どもたちを中心に「心地良い環境」を一緒に作っていくのが「整理・収納」の本質だと僕は思います。そして、そのそもそもを忘れないことが大切だと思っています。