凄い試合でした....激闘でした...。
何がかと言うと...もちろんラグビー日本代表対ニュージーランド代表の試合です。
僕たち世代...いやいやどの世代からしても憧れであり、雲の上の存在であるニュージーランド代表。
ラグビーをしている人だけでなく、ラグビーを少しかじった事のある人でも、オールブラックスとして聞いたことのある存在ではないでしょうか。
そんなオールブラックスとの試合が29日に国立競技場で行われました。
もちろん、大のラグビー好きの僕としては見に行かない訳にもいかず、2人の息子とともに1泊で東京への試合観戦に行ってきました。
改修後初めての国立競技場という事もあり、いつも以上にテンションアゲアゲで朝早くから車を走らせました。
そして何よりも、オールブラックスの試合を生で見ることが出来る事に大きな楽しみと、大きな喜びを感じながら車を運転していました。
僕にはこれと言った趣味もないし、旅行に対してもさほど興味もありませんが、ラグビー日本代表の試合があれば基本どこへでも応援に駆けつけます。
過去、北は岩手、南は大分まで応援に駆けつけており、敢えて趣味と言われれば、これがぼくの趣味になるのではないかと思っています。
そんな日本代表の試合を昨日見に行ったのですが、残念ながら7点差の惜敗という結果になりました。
日本代表の選手は最後まで本当に勇敢に戦い、「もしかしたら勝てるかも!!」と思わせてくれた選手には本当に尊敬の気持ちと感謝の気持ちを持っています。
1995年のW杯で145点を取られて惨敗してから20数年...本当に強くなったなと感慨深く思っています。
さて、そんな試合を見せてくれた日本代表ですが、ここ最近はティア1のチーム、所謂強豪と言われるチームとの試合では惜敗が続いています。
7月に行われた、強豪フランス代表戦でも5点差で負けており、あと一歩の所までは行くのですが、勝ちきれない状態が続いているのです。
そんな日本代表ですが、昨日の試合を見て僕なりに感じたのが、やはり1つ1つのプレーの「精度の違い」があったように感じています。(誰が言うとんねん!!という話ですが...)
というのも詳しいスタッツは調べたけど出てこなかったのですが、圧倒的にオールブラックスと比べると日本代表の方が「ノックオン」の数が多かったように思います。
ノックオンとは、ラグビーの基本的なルールの一つで、ボールを前に落とす反則の事を言います。そのノックオンの数が日本代表の方が多くあったのです。
印象ではなく、事実だと思っています。
詳しく調べてみると分かると思うのですが、ほとんどミスをしていないオールブラックスに対して、日本代表は10個くらいはノックオンをしていたように思います。
そしてそれは、7点差という点差以上の差を作っていたのではないかと思っています。
僕の印象では、ABs(面倒なので以下オールブラックスの事はABsとします。)の選手の方がプレー1つ1つに丁寧さを感じました。
その丁寧さというのは、1つ1つのプレーを大切にしているという事です。
ボールが自分の所に来たときに、まずそのボールを取ることを第一に考えプレーしている印象でした。そしてそのボールをキャッチしてから次のプレーを選択するという感じだったように思います。
ラグビーでは、体を鍛えた大きな選手がボールを持った選手めがけて全力で捕まえにきます。すさまじいスピードで激しく捕まえに来るその姿に恐怖の気持ちを持ってしまうのは誰もが持ってしまう感情だと思います。
競技経験者である僕だからこそ分かると思うですが、それは凄く恐い事だし、正直僕の場合、競技人生の中でその恐怖心を克服することは出来ませんでした。
そしてそれは、国を代表する選手であっても同じだと思います。
ボールを取ろうとしている無防備な状態の中、化け物のような選手がすごい形相で捕まえに来る。僕であればすぐに逃げてしまうように思います。
というか逃げていました...。
だから、ボールを受け取る瞬間に次のプレーの事を考えることは仕方のない事なのかもしれません。
ボールを受け取る時に...
「すぐに放ってしまおう。」や「取ったらすぐにしゃがもう。」なんて考えが頭を過るのだと思います。
今回の試合での日本代表の選手にそんな臆病な気持ちを持っている選手は1人もいなかったように思います。というか絶対にいません。
ただ、ABS選手の凄まじいプレッシャーにより、そのプレッシャーをもろに受けた日本の選手には恐らく次のプレーの事が頭を過っていたのだと思います。
もちろん日本の選手もABSの選手に向けて、多くのプレッシャーを与え続けたと思うのですが、そこは百戦錬磨のABSが一枚上手だったように思います。
ABS選手はそのプレッシャーをもろともせず、一つ一つのプレーを丁寧していました。
その結果が「ノックオンの数」に表れていたのだと思います。
僕はこのABS選手の「まずはボールを取ることを第一に考える。」というプレースタイルは全ての物事に当てはまる大切な事だと思っています。
「まずボールを取ることが第一」というのは、目の前にあることを確実に行うということに繋がるのではないかと考えています。
物事を行う際にミスは付き物だと思うのですが、そのミスが起きるのは大概は集中力が欠けていたり、他の事を考えている場合が多いように思います。
忙しい時にミスが多くなるのは、「あれもしないといけない、これもしないといけない」という目の前にあること以外の事に気を取られているからだと思います。
本当は目の前の事を確実に行うことがミスを減らすには一番大切なはずなのに、ついついやることが多くなってしまうと目の前の事に対する意識が少なくなってしまうのです。
だから、ミスが多くなってしまい、それが連鎖して他のミスを増やしてしまう事に繋がるのだと思います。
僕は昨日の試合で、ABS選手のプレーの精度の高さには「目の前の事を確実に行う」という根本的な思考が影響しているのではないかと感じました。
そしてその思考の差が7点差...もしくはそれ以上の差があったのではないかと感じています。
僕はラグビー選手でもないし、日本を代表して戦うことが出来るほど立派な人間ではありません。
偉そうなことを言える立場にはないかもしれませんが、僕なりに昨日の試合を見て感じることはありました。
その感じたことを自分の日々の生活で活かしていきたいと思っています。
まずは自分にパスされたボールを確実にキャッチできるような自分になりたいと思います。
目の前にあることを確実にこなすことができ、それから次の事を選択できる人になりたいと思います。
それが出来るようになったらABS選手と同じように、一つ一つの物事に対する精度が上がるのだと思います。