整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

物語を纏わせた鉄瓶

僕はモノを増やす時に大切にしている事があります。

それは...

そのモノは自分にとって本当に必要なモノなのか...

そのモノは自分の生活スタイルに合うモノなのか...

そのモノを生かす事が出来るのか...

そういった事を大切にしながら、モノを増やすべきかどうかを決めるようにしています。

そこに値段が高い、安いはありません。

高いモノだから慎重になるとか、安いから「とりあえず買っちゃえ〜。」とかはなく、

どんなモノでもじっくり向き合うようにしているのです。

その思考を持てている事で、僕の身の回りは過去と比べると、ずいぶんモノが減ったし、無駄なモノ増えなくなっているように感じています。

それは目に見えるモノだけでなく、目に見えない頭の中のモノも同じで、無駄なモノが減ってきているように感じています。

無駄なモノがない僕の思考はシンプルで、自分のしなければならない事や、自分が大切にしたい事、大切にすべき事が明確になっている感じです。

それが今の僕の「心地良い暮らし」に繋がっていると思っています。

僕は昨日から岩手県に来ています。

何をしに来たかというと、前から考えていた「南部鉄器の鉄瓶」を買いに来ているのです。

鉄瓶は僕が住んでいる大阪でも購入する事は出来ます。家の近くにある百貨店でも売っています。

だから、わざわざ交通費や宿泊費をかけて購入するモノではないのかもしれません。

でも僕はわざわざ岩手まで出向いて購入しようと考えたのです。

それは、ずっと購入する事と向き合い続けていた結果、購入するモノに「物語を纏わせよう」と考えていたのです。

モノを大切にするためには、意図的に物語を纏わせる事は大切な事だと思っています。

そのモノを購入するに至った経緯であったり、

そのモノとの出会いであったり、

そのモノとの思い出であったり、

そういった物語がモノとの間にはあるのだと思います。

その物語があればあるほど、モノを大切に出来るだろうし、一つ一つのモノに強い思いを持つ事ができるのだと思います。

もしかしたら、その物語が纏われている事で、そのモノは厄介な存在になるケースもあるのかもしれません。

物語が纏われている事で、必要ないモノも処分しにくくなるような感じです。

ただ、意図的に物語を纏わせたモノに関しては例外で、じっくり向き合い続けて購入したモノにプラスして物語を纏わせた事で、そのモノはより大切なモノになると思っています。

僕は1年ほど前から鉄瓶を買う事と向き合い続けて来ました。

毎朝飲むコーヒー。ステンレスの薬缶で沸かした湯でコーヒーを淹れるよりも、鉄瓶の鉄分が出た湯でコーヒーを淹れる方がずっと美味しいと思ったりしていました。

そして何よりも、鉄瓶で沸かしたお湯でコーヒーを飲む毎日にお洒落を感じる事が出来るし、心地良さを感じる事が出来ると思ったりもしています。

そんな事と1年以上向き合って来ました。

その向き合い続けた期間があるから、物語を纏わせたとしても後悔は残らないと思うし、よりそのモノに愛情を持つ事が出来ると思っています。

今回の岩手県への旅では、鉄瓶を買う以外はほぼ何もしていません。

どこか足を伸ばして観光地に出向いたり、雰囲気に飲まれて綺麗なお姉さんのいるお店に行く事はありませんでした。

もちろん美味しいものを食べるくらいの事はしましたが、それ以外の事は、僕にとっては今回の旅では無駄な事だと判断して行わないようにしたのです。

それでも十分満足する事は出来ました。

美味しい地酒を飲む事も出来たし、

美味しいじゃじゃ麺を食べる事も出来たし、

おっさん1人で綺麗なイルミネーションを見る事も出来ました。

そして何よりも、お目当ての鉄瓶を買う事も出来ました。(写真は後日...。)

生産されている土地で、生産している人を見ながら購入した南部鉄器の鉄瓶。

そして、そこに至るまでの物語を纏った南部鉄器の鉄瓶。

もう同じモノはこの世にないと思います。

間違いなく僕にとってお気に入りのモノになっただろうし、僕にとって特別なモノになったと思います。

僕は今回モノを一つ増やしました。

家にお湯を沸かす事が出来る、まだ使えるステンレスの薬缶があるにも関わらず、同じ機能を持ったモノを増やしました。

でも、じっくり時間をかけて向き合って増やしたモノです。

そこに後悔はありません。

そんな鉄瓶をこれから長い期間、大切にしていきたいと思っています。