資料の「収納」で大きな役割を果たしてくれていたクリアファイル。
グルーピングした書類を「収納」し、ラベリングや色分けをする事により「共有化」しやすいようにもしました。
クリアファイルを活用しだしてからは、モノが散乱する事が減り、モノを探す時間がずいぶん減りました。
そして、探しモノの時間が減ったことで、余計なストレスを抱えることなく、精神的にも安定するようになっていたと思います。
更に、書類をクリアファイルに「収納」する作業の中では、思考の「整理・収納」を行う時間にもなっていたように思います。
所謂「整理・収脳」というやつです。
自分がどれだけの仕事を抱えているのか...
どんな仕事を抱えているのか...
いつまでに終わらせないといけない仕事があるのか...
「収納」作業を行いながら、無意識に「収脳」もしていたように思います。
書類の「収納」をする過程で、書類というモノと向き合っていたのです。
書類に書いている内容とじっくり向き合う事が出来ていたのです。
その結果、余計なミスも少なくなっていただろうし、スケジュールの管理も上手く出来るようになっていたのだと思います。
僕が職場の誰よりも早く帰る事が出来ていたのは、こういった思考を持てていたからだと思います。
一つ一つのモノとじっくり向き合う時間を取っていた事で、無意識にしなければならない事、必要な事、大切にしなければならない事を選別する事が出来ていたのだと思います。
そんな大きな役割を果たしてきたクリアファイル。
僕にとっては欠かす事の出来ないモノになっていたのでした。
しかし、ここ最近ではそのクリアファイルの活躍の機会が減って来るようになりました。
デジタル化が進み、ペーパーレス化が進んでいるからです。
僕が教師になりだした10年ほど前の教育現場では、まだまだデジタル化が進んでいない状況で、職員が1人1台パソコンを持っていない時代でした。
会議がある際にも、10枚以上もある綴じられた資料が配布され、それを見ながら会議に臨んでいました。
そして僕の場合であれば、会議終了後にその配られた資料を案件ごとにクリアファイルに「収納」していくといった感じでした。
しかし、この10年程で教育現場でもデジタル化が進み、今は1人1台のパソコンが支給され、会議の際には紙の資料が配布されることがなくなっているのです。
会議での資料に限らず、ありとあらゆる資料が紙で配られることがなくなっているのです。
「データで送っているので、見といてください。」
「○○のフォルダに、データを入れています。」
そういった会話があちこちで聞かれるようになっているのです。
紙の資料が減ったことは、モノを増やさないという観点では良い傾向にあるように思います。
また、ゴミを増やさないという事や、資源の無駄を減らすといった観点からも良い傾向にあると思います。
実際、クリアファイルの活用が減ったという状況は、こういったペーパーレス化が進んでいるからです。
「収納」する必要がないから、クリアファイルというモノ自体も不要になっているのです。
1つのモノが減る事で、そのモノを収納するモノを減らすことが出来ます。
そして、その収納するモノを収納するスペースの確保も必要なくなります。
実際、僕が今年机の中の整理を行った結果、不要になったクリアファイルの数は20枚程になりました。
そして、そのクリアファイルを収納していたスペースがそのままごっそり空きのスペースになったのです。
モノが減る事で、本当に必要なモノが見えやすくなります。
モノが減る事で、本当に必要なモノを「収納」する事が出来るスペースを作る事が出来ます。
今まで僕を支えてくれたクリアファイルとは一旦お別れになりそうです。
ただ、デジタル化が進んでも、紙というモノの量は減るのかもしれませんが、やるべき事、頭の中に収納しておかなければならないモノの量は変わりません。
クリアファイルに変わる何かを僕が持っておかなければならないのだと思います。