整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

モノとの物語

心地よい生活のために必要なモノだけにしていく。

それが僕の考える整理です。

では必要でないモノは処分することになるのですが、処分できないモノって結構多いですよね。もったいないと感じるモノや思い出深いモノがそれにあたると思います。

だからこそ、処分するものを減らすためにモノを増やすことに慎重になることが大切になると僕は思います。

では、慎重になるために何が必要になるのか。今回は「モノと向き合うこと」について僕の考えを投稿したいと思います。

モノって同じモノでも同じモノは世の中にはないように思います。正確に言うと、店頭に並んでいるモノは同じかもしれませんが、それを購入した、そのモノの所有者がお店から個人に移った瞬間から同じモノは世の中に存在しなくなると思います。

それはモノとその所有者の中に物語ができるからです。どんな物語かは人によって違ってくると思いますが、そのモノとの物語が始まることによりモノは他のモノと違う個性を持ちだすと思います。

僕は一年前の誕生日に小学生の二人の息子からサプライズで腕時計をプレゼントしてもらいました。僕はもちろんのこと、母親も把握していない中、家の近所に一つしかない大型のスーパーで買い物経験の乏しい小さな二人が一所懸命選んでくれた腕時計は僕にとってはどこにも売っていない特別な腕時計になりました。

その腕時計は小学生の二人が両親に内緒で購入できるくらいの価格で販売している、どこにでも売っている腕時計です。

所有者が販売している大型のスーパーから、父親を喜ばせたい小さな小学生の二人へ、そしてそんな二人から、二人のことを本気で愛している父親にもとに渡りました。

もうこの物語を聞くと、誰もが「その時計は店頭に並んでいるモノとは違うモノ」と考えるのではないでしょうか。

僕にとって素敵な物語を纏った特別な腕時計になりました。

このようにモノの中には物語を纏って人のもとに存在しているモノがたくさんあると思います。

こういった物語を持ったモノって大切ですよね。僕はこういったモノは本当に必要だと思うし、一生大切にしていくべきだと考えています。

という観点から考えると「モノと向き合うとき」には、この物語を一つの基準にすることがキーになると僕は考えています。

また、不必要なモノの判断基準にそのモノとに物語があるのかを自分に問うことも必要だと思います。

モノとの間に物語があるものは本当に大切にしたらいいと思います。むしろそういった物語のあるものに囲まれた生活に魅力を感じるように思います。

でも、なんでもかんでもモノに物語を纏わせてしまうのはナンセンスだと思います。

あくまでも自分にとっての「心地よい暮らし」を優先してほしい。ここがぶれてしまうと、気づいたら物語のあるモノに囲まれすぎて「心地よい暮らし」からかけ離れた生活になっているかもしれません。

本当に必要なモノの判断の中にモノとの間にある物語を入れることで、モノとの関係に慎重になれるのではないでしょうか。

また、モノを購入する際に物語をあえて纏わせることも必要になるかもしれません。僕は10年前に購入したあるブランドのダウンジャケットを毎年使用しています。その時の僕は一生モノのつもりで購入しようと何件もお店を梯子して購入しました。各店舗でたくさん試着し、店員さんにもたくさんアドバイスをもらいながら選んで購入したモノです。価格も今までに購入したことのない価格帯で、新たな境地に足を踏み入れたと興奮していたのを今でも覚えています。

というような物語がこのダウンジャケットには存在しているのです。飽き性の僕が10年間も使用できているのは単純に気に入っていることや、型に流行りがないものであること、そして何よりもそのダウンジャケットとの間にしっかりとした物語があるからだと思います。このダウンジャケットがあるおかげで特に新しいアウターを購入することはしていません。

10年前に慎重にモノと向き合い、物語を纏わせた結果だと思います。

心地よい生活の中に、僕の所有しているモノでどれだけ物語のあるモノが他にあるのでしょうか。もう一度モノと真剣に向き合い、モノとの物語をたどってみようと思います。