小学校は「整理・収納」が徹底されている所だと僕は思っています。
僕が考える「整理」は必要なモノだけにすること。「収納」とはモノの定位置を決め、モノを使いやすくすることだと考えています。
その観点から言うと、小学校では「必要なモノ以外は持って行かない」というルールが徹底されているし、みんなが使いやすいように、モノの定位置を決めて管理することも徹底しているようにも思います。
思い出して欲しいのですが、ランドセルや靴、傘などは無意識に決まっている場所に置いていたように思います。それが当たり前だっただろうし、誰もが疑うことなく決められた自分の場所に置いていたように思います。
また、みんなが使うモノの定位置管理も徹底されていたのではないでしょうか。どの学校でも教室の鍵や特別教室の鍵は職員室の決められた場所に置かれています。持ち出したとしても、その持ち出した先で使った鍵を置く場所も決まっているように思います。大概は入ってすぐの所にフックがついており、そこに掛けるといった感じではないしょうか。
きっと長い時間を掛けて確立したシステムのように思います。そしてそれは令和になった今も大きく変わることなく続けられているシステムです。
たくさんの子どもたちが生活する中で、子どもたちが心地良く過ごせるように考えられたシステムのように思います。
そんな「整理・収納」が徹底された小学校の中で子どもたちは6年間生活しているのです。「整理・収納」の良さを実感できる場所で6年間も生活しているのです。
ただ多くあるパターンが、家ではランドセルが放り出された状態になっていたり、教科書や文具があちらこちらにあったりするようなことがあるのではないでしょうか。
学校では定位置管理が出来ているのに、一歩外に出るとそれが出来ていない。
きっと、学校での生活と家庭での生活が別物になっているのだと思います。
それは子どもたちだけでなく、大人も同じように思います。
今日本に暮らしているほとんどの大人は子どもの時に6年間小学校で過ごしていたように思います。そうでない人もいるのかもしれませんが、ほとんどの人は同じように小学校に通っていたのではないでしょうか。
言ってみれば、ほとんどの大人は「整理・収納」が徹底されている場所で、6年間という長い時間を過ごすという経験をしてきているのです。
でも現状はどうでしょうか。所有するモノが多く、モノの管理が出来ていない大人が多いように思います。そして、それに苦しめられている大人も多いように思います。
僕が働いている職場でも、机の上がモノで溢れており、常に何かに追われているように働いている人が数名います。
また、いつも疲れている顔をしている人もいるように思います。そしてそういった顔をしている時のつぶやきが「あれどこに行ったけ。」や「ないな~。」などといった探しモノをしている状態が多いように感じます。
「整理・収納」の良さを感じることができる環境はあったのに、それに気付いていない事や学校での生活を別物として考えてきた結果のように思います。
では、そんな偉そうに言っている僕はどうなのか。
新年度が始まり3週間が経ちましたが、この3週間は僕は「分析」の期間だと思って過ごしてきました。
何の「分析」かというと「収納」の分析です。
冒頭にも書きましたが、「収納」とはモノの定位置を決めて、モノを使いやすくすることです。
よくあるのが、新年度が始まり子どもたちが初めて教室に入った時点である程度収納する場所が決まっているということがあります。
絵具セットはここ、習字セットはここ、体操服袋はここといったような感じです。机の場所もここといった感じで床にマーカーで印を書いたりもします。
でもそれは、大人目線での考えであって、子どもからの視点が入っていないように思ったりもします。
本当にその収納は子どもたちにとってモノが使いやすい収納になっているのか、その収納は子どもたちの動線を考えているのか...。
その時の子どもたちの個性や特性によって変わってくるように思います。
例えば机の配置では、
落ち着かない子どもたちが多いのであれば、前を向いて授業に集中できるようにするために床にマーカーで印をつけてあげる方が効果的かもしれません。
ディスカッションが好きな子が多くいる場合では、無理に全員が前を向く配置ではなく、コの字型にするような配置にする方が子どもたちの能力を伸ばしてあげることに繋がるかもしれません。
習字セットも絵具セットも体操服袋も同じだと思います。他の全てのモノも同じだと思います。その子どもたちの特性や個性をしっかり分析することで、より良い「収納」が出来るのだと思います。
日々「整理・収納」を意識することで僕の生活は良い方向に向かっています。仕事も同じで「整理・収納」を意識することで僕の働き方は良い方向に大きく変わりました。
僕も家庭での生活と学校での生活を別物として考えるのではなく、同じと考え、より良くしたいと思っています。
だからしっかりと収納の分析を行い、目の前にいる子どもたちにとって心地良い空間を作っていきたいと考えています。
そしてそれを自分の「心地良い暮らし」に繋げたいと思っています。