整理収納アドバイザー ポレポレ日記

40代 おじさん整理収納アドバイザー

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昨日家で映画を見ました。

ドラマ、ガリレオシリーズの映画版、「容疑者Ⅹの献身」と「真夏の方程式」です。

両作品とも名作です。

物理学者の湯川学が独自の視点から事件を分析し、謎を解明していくというストーリーです。

予想できない展開やそれぞれの登場人物の深さに心を打たれるシーンがたくさんある作品のように思います。

そして何よりも、両作品とも「愛」を感じさせる切ないストーリーでもあるように思います。涙なしで見ることは出来ない作品だと思います。

1作目の「容疑者Ⅹの献身」では、湯川の大学時代の同級生の天才数学教師が出てきます。湯川とは違う形で事件に関わっていきますが、彼の「愛」はこの映画では欠かすことの出来ない重要な存在になっていきます。

2作目の「真夏の方程式」。一つの町を舞台に話は進んでいきます。海の自然を守りたい旅館の一人娘。その一人の娘のことを愛するたくさんの人の支えにより事件は始まり終わりを迎えていきます。

もちろん事件を解決する映画でもあるので、人を殺めるシーンはあります。そんなシーンがあるにも関わらず「何が愛なんだ!!」と言われてしまうのかもしれません。殺されて良い人間なんてこの世にはいないからです。

人にはそれぞれ自分を愛してくれる存在がいるように思います。

こんな僕にも愛してくれている人はいるように思います。僕の勘違いかもしれませんが、2人の子どもたちや両親あたりは僕の事を多少は愛してくれているのではないでしょうか。

僕のようないい加減な、自分の事しか考えていない人間でもそういった存在はいるのです。だから映画に登場してくる、殺められる人物にもきっと愛してくれる存在はいたのかもしれません。

「容疑者Ⅹの献身」でいう元旦那、「真夏の方程式」でいう元ホステスです。

映画の中では、本当にどうしようもない存在ですが、きっとその背景にはそうなってしまう原因がいくつもあったのだろうと思います。そして、そんな登場人物の事を愛してくれている人はきっといたように思います。

ただ、映画の中ではそれが描かれてはおらず、主人公の湯川を中心に話はどんどん解決に向けて進んでいくのです。

そりゃ当然です。映画だからです。そういった人たちがいないとストーリーは成り立ちません。だから、そういった人たちの愛に関わることは一旦無しにしてストーリーに浸っていかなくてはなりません。

冒頭に「愛」を感じることの出来る切ないストーリーと書きましたが、それはスポットライトのあたる登場人物を中心に考えて見ると感じることが出来るという事です。

映画だからそれでいいのだと思います。現実とは違う話だからこそ、そういう見方をすることにより、現実では感じることの出来ない切なさを感じることが出来るのだと思います。

でも、現実はそうではないというのが僕の考えです。現実でも映画同様、人が殺められる事件は毎日のように起きています。

人が殺められることは絶対にあってはならない事です。それは大前提です。それにより人生が狂わされる人も大勢いるだろうし、悲しみを一生抱えて生きていく人も大勢いるように思います。そして何よりも、一つの輝かしい未来が無くなってしまうという事も許せない事のように思います。

ただ、そういった事があった場合、そうなった背景に何があるのかという事を理解しておくことがとても重要になるだろうし、同じ過ちを起こさないようにするためにも知っておくことは必要になることだと思います。

映画では中心になる人物のそういった部分がクローズアップされていますが、本来は全ての人物においてクローズアップされないといけないことのように思います。

そうすることで、悲劇は解消されるように思います。

人を殺めることは絶対にあってはならない事です。家族の事で悩んでしまい人を殺めてしまう人もいるかもしれません。守りたいモノが守れず人を殺めてしまう人もいるかもしれません。いや、います。残念ながらいます。

ただ、そういった人たちにも何か事情があるのだと思います。

人を殺めたことは許すことの出来ない事かもしれませんが、そこに寄り添うことは絶対に必要になることだと思います。

昨日見た映画2作に出て来る、人を殺めた中心人物たちにはそれぞれ守るべき、愛すべきモノがあったのです。それを守るために行った犯罪だったのです。

現実でもそういった事がたくさんあるように思います。そういったことに深く気付かされた「容疑者Ⅹの献身」と「真夏の方程式」だったように思います。

そして、9月に公開予定の第3弾「沈黙のパレード」も、原作を読む限りでは「愛」に包まれた良い作品だと思います。

自分の周りにも許せない、憎い存在はいるのかもしれません。でもその人にも愛する存在、愛される存在はあるように思います。それを理解して全ての人と向き合いたいと思います。